指先水墨画 高畑宏

黄斑変性症とつきあいながら指先で描き続ける画家

大沢野文化会館 高畑宏 指先水墨画展 盛況のうちに幕を閉じました

高畑宏さんの指先水墨画展、最終日は達磨を描かれました。

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どことなく高畑さんに似てきました。4日間の個展をされたのは今回が初めて。個展に出席されるだけでも大変なのに、毎日実演をこなされました。

 

この4日間の修行(笑)で、悟りの境地に達したのかもしれません。

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昨日描かれたパステル画はこちら

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空想を描いたものですが、陰影を墨の濃淡で表現されています。

 

今回の個展を開催する際、大沢野までわざわざ絵を見にくる人はいないだろう、と美術関係の方をはじめ多くの方からいわれたそうです。ところが連日大賑わい、高畑さんが当初見積もっていた人数をはるかに超える方々がいらっしゃったそうです。

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北日本新聞の記事を見て近所の方や学生時代の同級生が多く足を運ばれたようでした。

 

そんな中、記憶に残る出会いもあった、と高畑さんはおっしゃいます。

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黄斑変性症と肺がんを抱えられた女性がご主人さんに連れ添って会場に見えられたそうです。実演で忙しくされていた高畑さんが用を済ませるために立たれた際、ご主人さんがトイレの中まで追いかけてこられ、奥様のお話をされたそうです。

 

高畑さんと同じ目の障害に加え、同じ病いを患っておられることより、奥様は高畑さんの活動に興味をお持ちだった、とお話されたそうです。

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会場に戻ると早速奥様とお会いになり、同じ障害と病いを抱える者同士でいろいろな話をされたそうです。

 

二科展準入選した川渕大成さんとの出会いも印象に残るものだったが、今回の出会いも忘れられないものになった。記帳のお名前をじっくりながめ、高畑さんはこう語っておられました

 

さて、達磨は文字へと移ります。

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高畑さんは人差し指で絵、中指で書、と使い分けて描かれるそうです。

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文字を書く間、見ている人たちの間にも緊張が走りました。

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迷いなくまっすぐに指を下ろされ、完成です。

 

最終日、残り時間わずかにもかかわらず、新しい作品を描き始められました。

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最後のわずかの時間を惜しみ、そして楽しんでおられるかのようでした。

 

最終日の終わりは、ご協力いただいた方に高畑ファミリーを加え記念写真。

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高畑さんは、地元大沢野で個展を開催し自分が絵を描く姿を多くの方に見てほしい、という願いをずっと持っておられました。夢が実現できたこの4日間は、出会いと感動の日々となりました。