指先水墨画 高畑宏

黄斑変性症とつきあいながら指先で描き続ける画家

大沢野美術連合会青少年の芸術を育む会 郷土作家展 燃ゆる女

高畑さんは、5月26日から31日まで開催される「郷土作家展」へ、4点の候補の内、どの作品を出展しようか、考えておられます。

 

今回、ご紹介するのが4点目

 

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目のハンディを背負いつつ、加えて指先で描いていらっしゃるとは思えない作品。なお、高畑さんは、目の都合が悪いため、筆では紙の距離感がつかめないことで指先で描いていらっしゃいます。

 

この作品の構図ですが、椿の枝や着物といった右上がりの流れに対し、花、目、鼻、唇、指先、腕から成る右下がりのラインを作ることで緊張感を高めていらっしゃいます。

 

空間の使い方も絶妙。

 

また、ふくよかな椿に対し、シャープな線で女性を描ききることで、タイトルの通り、燃えた感じが見事に表現されています。首、手にうっすら影を入れ立体感をつけることで、顔や手の甲や指の白が浮き立つようにもされています。

 

近くしか見ることのできない高畑さんが、このようなバランスのとれた作品を描くことができるのか不思議です。さらに、指先で小筆で描いたようなシャープな線を引くことができるもの驚きです。