指先水墨画 高畑宏

黄斑変性症とつきあいながら指先で描き続ける画家

第52回 善意色紙等頒布展

富山県善意銀行主催「第52回 善意色紙等頒布展」が12月12日(金)〜14日(日)まで、富山国際会議場で開催されました。

 

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全816作品。内、画家の色紙は240作品。高畑宏さんも2作品、出展されました。

 

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上が「椿にめじろ」下が「雷鳥」です。二つとも余白が効いている作品で、リズム感と緊張感があります。

 

高岡から川淵大成君も駆けつけ、二人でいろいろな方の作品を鑑賞されていました。

 

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黄斑変性症の高畑さん。モノを見たくても、視界が砂嵐のようにしか映らない目の病の大成君。

 

目の病を患っておられる二人だからこそ、語らなくてもお互いの辛さがわかるのでしょう。高畑さんは、大成君を我が子のようにかわいがり、大成君は高畑さんを慕っておられます。

 

帰り際、大成君からどうしても見てほしい絵がある、と言われ、地下駐車場で大成君の描いた絵を見せてもらいました。

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木炭で描かれた作品。いつも穏やかで人思いの高畑さんのお人柄が絵を通して伝わってきます。川淵君の目に映る世界がどんな風だか、健常者の私たちは計り知ることができないのですが、見えにくい目で描いているので、コントラストが高く、それゆえ力強い作品になるのだろう、と思います。

 

高畑さんを描こう、と思った時、

 

木炭なら自分の思いを素直に表現できる・・・。

 

と思い、技法に走らずストレートに描かれたのではないか、と思います。ゆえに二人の師弟愛というのが絵から伝わってくるのでしょう。

 

さて、描くことは時に辛いこともあるでしょう。ただ、お二人の結びつきがあれば、きっと乗り越えていける。大成君の絵を思い浮かべながら、そんなことを思いました。メッセージ性の高い作品です。