指先水墨画 高畑宏

黄斑変性症とつきあいながら指先で描き続ける画家

指先水墨画の描き方

昨年、八尾で開催された「坂のまちアートinやつお2013」

 

高畑さんの作品が飾られている町屋の玄関先に、自画像がありました。

 

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黄斑変性症は、目の中心部から視力を失う病。そこで、まっすぐ前を向いて、視界の周辺部で絵や筆先を見ながら描く作業となります。

 

まっすぐ前を向き、視界をさえぎるように、少し離して掌を当てたら、下の方に掌で遮られていない視界がひろがると思いますが、この光を頼りに絵を描いていらっしゃいます。

 

中央部とは違い、周辺部は視力もそれほどきちんと上がらないことより、ぼんやりとした中で描かなければなりません。

 

最初は筆を持って描かれていたのですが、ぼんやりとした視力で、筆を持つ手、筆先、紙との距離感がつかめず、筆を諦め、指先で描くようにされたそうです。

 

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絵を描きたい思いがあるが、筆では上手く描けない。指先水墨画は、どちらかといえば、ハンディから生まれた技法なのです。